パレードで見えた「予防」の大切さ

私が上海ディズニーランドに行った日は、オープン後初めて迎える週末。
この日が最初の出勤日になるキャストも多分多かったはず。
中国でもフリーター(中国では「飛特族(飛の字は簡易に表記されます)」という)と呼ばれる層もいるらしく、初めてゲストと接するキャストがどんな動きを見せてくれるのかという若干の期待もありました。

っで、その結果は。。。残念ながらまだ未熟です。
できたばかりなので当然といえば当然、、、仕方ないですね。。。

そして、東京ディズニーランドと比べてみて最も差が出ているように見えたのが「パレードのゲストコントロール」。
東京ディズニーランドに行った人ならば知っていると思いますが、パレード前にはゲストは前から順に座らされて、いろんな注意事項を遵守してもらっています。このように観覧することはガイドマップには書いてありませんし、ゲストが勝手にしているわけでもありません。

パレードはゲストコントロールと呼ばれる役割の人達が、「より多くのゲストに安全、快適にショーを観覧してもらうために」口頭で呼びかけることで成立します。

パレード前に手拍子したり挨拶したりというシーンを見かけますが、これはあくまでも最終段階。それまではひたすら、座らせる、日傘はたたむ、ビデオの高さは目線まで。。。等々いろんなルールを伝えて続けていきます。

この努力のご褒美(?)として、パレード前に手拍子の練習や挨拶などでゲストから喝さいを受けて、その後のパレードの円滑な運営を補助するわけです。
昔は、専属のスタッフを使っていたそうですが、今では周辺の部署のキャストが協力して行っているというのですから、伝統がなせる匠の技の一つともいえます。

さて、

上海ディズニーランドですが、観覧エリアにはゲストコントロールのキャストはいます。何をしているかというとパレードルートの最前列に陣取っているゲストに対して、これ以上前に出ないように。。。これをひたすら繰り返します。
つまり、キャストの意識は常に最前列。

上海ディズニーランド

すでにこの時には後方では、日傘をたたまない女性に対してクレームをつけたり、前に前に割り込んでくる人とのいざこざ、さらには子供を肩車している親がどんどん増えていく。。など日本では考えられないようなシーンが展開されていきます。

上海ディズニーランド

しかし、キャストの方はそのシーンを見て見ぬふりをしているのか?気が付かないのか?常に最前列だけを注視。そして、そのままパレードがスタート。
当然ですが、最前列以降はごった返し、整然とショーを見るなんてできません。

上海ディズニーランド

さて、ここまで話をして、これは中国人の民族性の問題か?またしてもマナーの悪さの表れか?と思われる人もいるかもしれませんが、自分はそうは思いません(というよりは、それが全てだとは思えません)。

ゲストコントロールのキャストが担当するエリアが「線」である上海ディズニーランドと「面」である東京ディズニーランドでこの差が出てしまうのです。
最前列だけを注視してしまったことで、その後ろで起こっていることに対しての対応ができなかったということです。

そして、もう一つ、これが重要なことで、
守ってほしいルールを守れないゲストが現れる前に、ルールについて説明をしておくことができていなかったことです。
例えば、日傘を閉じて欲しいときには、日傘をもって列に加わろうとする前に、気が付いたキャストは「日傘は閉じるように」と担当するエリアにいる全ゲストに向かって案内します。個人に対してではなく全体に対して案内することでやんわりと傘をたたませるように導きます。座ることも同じ。東京ディズニーランドはこの点が非常によく徹底されている(ゲストも理解している)ので、整然と観覧できるわけです。

ルール違反を正すのではなくて、ルール違反をさせないように予防する
これが非常にうまく機能しているのです。

もちろん、できたばっかりの施設ですから上海ディズニーランドに同じレベルを求めるのは無理があります。しかし、日本人よりせっかちな中国人を相手にしなければならない施設であればこうした対応は早くできるようになることを祈りたいです。

このキャストも十分なOJTもせずに現場に出てしまったのでしょう。動きを見ていてもいい動きではありませんでした。アトラクションなどの機械操作がある部署と違ってゲストコントロールはゲストの動きに合わせて柔軟に対応していかなければならない仕事なので実は難しい業務なのです。そのことをこのキャストの上役が十分に理解して、しっかりしたOJTをする時間があれば、もう少しましな対応もできたのかもしません。

さて、話は変わりますが、
「パレードを柵やごみ箱の上に乗って観覧する酷いマナーの中国人」という報道があったのですが、こんなことをしないのは日本人くらいです(笑)。ディズニーランドパリでもパレードが見えないとごみ箱に上って見る大人もたくさんいます。ただし、安全な行為ではありませんから真似するべきではないですね。「マナーが悪いなぁ」と罵るよりは、他人のマナーの悪さを見て自分(達)のマナーの良さ(民度の高さ)を喜ぶのが、本当にマナーの良い人なのだと思います。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です