キューラインで一番大事なのはラインケア

上海ディズニーランドのシリーズも今回で最後にします。

最終回は列に並んだときの印象について。
私が初めて中国に行ったのは2001年。そして中国の遊園地というものを初めて見たのは2003年でした。当時はまだディズニーランドの構想などなく、偽物を使った挙句「お金のかかる東京に行くよりもこちらに来てください」なんていう宣伝をしている遊園地がゴロゴロあった時代。そんな時代のアトラクションの列の並びはこんな感じでした。

上海ディズニーランド
まさに鮨詰め。当時はとにかく隙間を開けると横割りされるので、絶対に隙間を空けないようにというのが列の基本。これでも入ってくる人がいるというのだからびっくりしました。

それから13年。中国の人もだいぶ温和になったようで、今回の上海ディズニーランドでは(一部メディアで報道されていたような)あからさまな横割りはありませんでした。
そんな中、キューライン(待ち列)にいて気が付いたことを幾つか。。。

まずはキューラインのハード。
日本と違ってロープやチェーンで作ったキューライン(ローピングなどといいますが)は上海ディズニーランドではほとんど見かけません。頑丈な鉄柵製です。横割り防止に対しての強固な意志を感じるキューラインです。横割りされないのはいいことなのですが、このタイプ難点はキューラインの変更が容易にできないことです。このため大して混雑していないところでも最大待ち時間用にセットされたキューラインをグルグル進まなくてはなりません。
さらに、キューラインの所々は抜けられるようにドアが設置されているんですが、これがロックされていない。このためショー会場などでいざ入場となると、これを勝手に開けて飛び込んでくるゲストが結構いるんです。これは危険ですよね。
上海ディズニーランド

そして、このキューライン。列の動きが止まってしまうと格好の背もたれやベンチになってしまいます。
中国人って意外に足腰弱いのか?と思うくらいどこでも座り込んでしまいます(少なくとも自分の見た限りの印象ですのでこれをもって中国人全員とは思えませんが・・・)。

上海ディズニーランド
確かに頑丈なキューラインですが、日本ではあまり見られない光景です。

さらに、とあるショーの会場で見かけたのですが、キューライン内にある扇風機の中央部が、、、壊れている。。。中の基盤がむき出しになっています。
自撮り棒などで突いてしまったんでしょうか?
上海ディズニーランド

さらにあるアトラクションのキューラインにはペットボトルが捨て去られていました。
上海ディズニーランド

ディズニーランドには「BAD SHOW」という概念が存在します。お客に見せるべきものではないものは見せてはいけないとか、故障した場合には直ちに修復するなどして「BAD SHOW」の状態は速やかに修復するという概念。残念ながら上の二つは、「BAD SHOW」がそのまま放置されていました。

そうなってしまう原因がキューライン内を行き来して、ゲストの状態を確認する「ラインケア」と呼ばれる業務をしている人がほとんどいないからです。キューラインの最後尾と最前部(乗り場)には人手をかけていますが、ラインケアはほとんどいない。
キューラインがハード的に優れたものになったので、破壊される恐れがなくなったからでしょうか?

機械が壊れていた、ゴミが落ちていたくらいはまだしも、この先キューラインで人が倒れたり、排便問題が発生したときどうなってしまうのか?非常に不安を覚えます。ただし、これもまたオープン当初によく見られる現象の一つなのです。

テーマパークでは自分が業務をする場所を「ポスト」と言いますが、ポストには二種類あります。その場を基本的には動かない「定点ポスト」と動きながら業務を行う「流動ポスト」です。アトラクションの出発進行を行う人などは代表的な定点ポスト。そして清掃スタッフのように決められたルートで動きながら業務を行う人などが代表的な流動ポストです。

アトラクションの場合、最初のうちはどうしても定点ポストで業務を考えがちになる傾向があります。ラインケアのような流動ポストの業務はどうしても抜けてがちになったり、¨時間のあるときにしよう¨という業務になりがちです。
しかし、時を重ねるにつれて、流動ポストへの意識が強くなり(日本の場合経営的に流動ポストにしないと運営できなくなる場合が多いが。。。)、人員効率が上がっていきます。さらに、流動ポストの増加によりラインケアをはじめ、エリア内のトラブル予防など問題が大きくなる前に解決できるようになります。

こうした状況にできるだけ早く持っていけるかどうかは、現場のリーダーの能力に依存するところが大きいのです。一朝一夕で能力の高いリーダーが育つわけではありませんので今の段階では致し方ない気もしますが、ディズニーブランドですし、中国国内でも他の施設に比べて高い料金を取る施設であることを考えると一応考慮すべき問題でしょう。

また、パークとしての意識の問題だと考えると、横割り防止を目的とした屈強なキューラインを作ったことから来る安心感(これを慢心というかどうか微妙なところですが・・)から「キューラインは大丈夫」という意識を持って運営してしまっているのでは?これは少し意地悪な考えかもしれません。

どちらにしても、運営技術に完成ということはありません。次に行ったときにはどのくらい改善されているか?楽しみです。

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