中国のECはすごいよ

先日、上海ディズニーランドのチケットをアプリから購入しようと思って操作を進めたら、支払いの段階でクレジットカード決済にたどり着けないという事態になった。決済で有効なのが「アリペイ」と「WECHATマネー」。。。残念な結果に終わった。

ここで一つ不思議に思ったのが、なぜクレジットカードよりもこれらのローカル電子マネーが優先されるのか?調べてみると、実に巧妙な仕組みがあった。

こうした電子マネーは中国ではアプリを通してやり取りされる。日本のようなおサイフケータイやICカードは必要ない。まずここが日本と違う。電子マネーに金銭をチャージする方法だが、これは銀行口座を作る段階で用意される。

中国で銀行口座を作ると「銀聯」のロゴが付いたキャッシュカードを渡される。クレジット機能はないが、預金残高分の決済が可能なディビットカード機能が付いている。この段階で電子マネーへの仲介はすべて銀聯が行うことになるようだ。また口座を作るためには身分証明書(日本人ならパスポート)と携帯電話番号の登録も行う。これにより口座に動きがあった場合にSMSで情報が自分のスマホに届くようになる。

続いて、アプリと電子マネーの仲介であるが、携帯電話番号とパスポート番号(中国人はIDカード番号)で紐づけられる。そして、銀行口座を作った際に提示したパスポート番号が銀行口座(銀聯)と電子マネーに紐づけされることで、銀行口座から電子マネーへのチャージが可能になる。電子マネーは先ほどの2種類のどちらかを持っていれば、ほとんどのECサイトで利用できる。日本のようにいくつも加入する必要はない。

ケータイの番号が登録に必要になるため、最近プリペイド制の携帯電話(SIMカード)では銀行口座との紐づけはできなくなったそうだ。銀行の説明ではSIMを放棄してしまうと他の人が同じ番号を利用することになるため、口座の情報が漏れてしまう恐れがあるからとのこと。確かに的を得た話ではある。

こうして簡単にECサイトを利用できる中国ではEC市場規模が2015年の統計で75.6兆円。日本は13.7兆円なので規模は単純に6倍弱。
さらに、小売業の中でのEC化率は16%(日本は同じ指標は6%)で世界でもダントツの一位だ。

さらに、電子マネーでの支払いの際に、従業員の接客サービスが良かった場合にはチップを支払う機能などがある。従業員のスマホのQRコードを顧客が読み取ると、チップがお店に送金され、従業員の履歴として残る。欧米のチップ制度の電子マネー版。このシステムなら本人も過去にどのくらいの評価を受けたかわかるので、転職の際にも役に立ちそうである。

さて、ここまでの操作を日本の場合と比較してみる。

日本の場合、銀行口座を作る際に身分証の提示や電話番号の記入は行うが、それ自体は何かしらデータが紐づけられることはない。
キャッシュカードも特に指定しなければディビットやクレジット機能は付いていない(せいぜいその銀行のカードローンくらい)。

そして、電子マネーを使うためにはまずは登録を行うが、銀行口座を直接結合させることは難しい場合が多い。さらに、クレジットカードは銀行とは違う信販会社が行っているので、クレジット決済を行うためにはクレジットカードへの加入が必要になり、審査などで落ちる可能性もある。

日本ではスマホで電子マネーを利用するだけでもいくつもの高いハードルが設定されている。したがってこの先のECサイトへのハードルも自然に高いものになる。

クレジットカードの年齢別の所有数を見てみると、人口比率よりもクレジットカードの契約数比率が多くなっているのは30代~50代。20代にとってはクレジットカードを持つことに対してのハードルは高いようである。

レジャー見聞録コンサルティングオフィス

また、ECサイトでの料金支払い方法を見てみると、30代以上はクレジットカードの利用率が30%を超えているが、20代はそれ以下である。では、電子マネーに行くのか?といっても実はそうではない。20代は通信料に上乗せ、コンビニ払いなどやはり現金での支払いの比率が高くなっている。

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20代などの若年層は、クレジットカードが持てない(もしくは持ちたくない)ため現金主体の支払い方法を選択することが多くなっている。この点は中国と大きく異なる点だと言えよう。

そのような状態で、大本営(政府)発表の記事を見ると、シニア層がネット利用が伸びているという記事が目に付く。日本のECサイトの多くがクレジット決済を行うことが多いのだからこの傾向はある意味当たり前です。

クレジットカードは審査が必要よってハードルが高い。
デビットカードはその先で紐づけられる電子マネーアプリが多種すぎてECサイト上で利用しにくい。

こんなところに、日本の若年層EC市場が伸び悩む原因があるのかもしれません。銀行がカードもアプリも一括管理して、全国統一アプリなどを開発してくれれば、状況は一変するように思うのは自分だけでしょうかね?

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