ポケモンGOはレジャー施設の敵か味方か?

7月22日にダウンロードが始まってからというもの、毎日ネットやテレビで目にするキーワードが「ポケモンGO」でしょう。アメリカでの大ヒットを連日メディアで見させられてのリリースだったから日本でも勢いは今までのゲームソフトとはケタ違いです。

私のようにソニーのプレステも、任天堂のDSも持っていない。今までスマホのゲームもやったことがないという、U-50世代でもとりあえずダウンロードしていじってみようという気になった人が多いはず。実際にやってみると複雑なキー操作などが必要ないので思ったよりも楽しめるのもこのゲームの特徴でしょうか?

さて、ポケモンGOの配信が始まってから配信による良い面と悪い面の報道が連日テレビやネットを賑わしています。特に悪い面についてはポケモンGOが引き起こしたかの如くいわれるようなものもあります。一番多いのが歩きスマホや車中でのスマホ利用による問題。しかし、これってポケモンGOが始まる前から言われていた問題でもあります。

日本人の民族性なんでしょうか?新しいことが始まるとまずはそのデメリットを訴える人が増える。一番目につくのが「車を運転中にポケモンGOを操作していた」ことで摘発されたという事例。私の住んでいる大分県でもローカルニュースで「本日は3件も摘発がありました」などと主要ニュースになっている(一日3件が多い数字なのかどうかは全く報道されていないというのが笑えるところです)。

運転中のスマホを含めた携帯電話の利用による摘発は今に始まったことではない。かつては移動電話として車の中に電話機が搭載されている時代もあった。しかし、利用によって事故が増えたという理由で法規制ができた。ポケモンGOの配信が始まったからと言ってこの法規制を強化しようという動きまでには至っていない。その意味ではポケモンGOの悪の部分は今までの運転中の携帯電話利用のレベルということだと思う。

統計のマジックでもあるが、新しく始まったことは前年との対比ができないため、単純に比率だけ見ると伸び率は極端に高くされてしまう。例えば車運転中の通話利用が前年比で減少しているとしても、ポケモンGOの利用は間違いなく増加とされてしまう。そして自動車運転中の携帯電話操作による摘発全体が増加した場合に、その主要因として必ず取り上げられる。新しい試みが始まったときにデメリットを訴える方々にとっては、こうした統計結果が重要な根拠となってしまう。

ブームが落ち着き、摘発も終息を迎えたときに、「どうやら終息したようです」という報道はほぼされないから、新しい試みは悪い情報だけが伝わり、「他のものと結局同じでした」ということにならないから、ある意味かわいそうです。

このゲームのもう一つの特徴が、GPS機能を使って歩き回ってポケモンを獲得する点。このため不法侵入などの摘発も増えているということですが、そもそもこれはゲームのせいではなくて、ゲームを行う人間のモラルの問題。

今まで日本人は「言葉でいえばいうことを聞く」民族だと思っていたが、ゲームが引き金になってこのタガが外れてしまった。。。となってしまうでしょう。もちろんこうした違法な行為については適切な法的処分が必要です。統計的に99%が法順守の上で利用しているのに、1%の違法者がいた場合には、そのコンテンツが悪いと判断されてしまうところは、これまた新しい試みの悲しい宿命なのかもしれません。

悪いことばかり書きましたが、一方でポケモンGOで大変な恩恵を受ける(ことができるかもしれない)ところもあります。レジャー施設がその代表でしょう。
レジャー施設は、顧客の集客のために年間で大きな予算を割いています。地方になればもともとの潜在顧客が限られているので小さなパイを奪い合うということになります。

しかし、ポケモンGOが二つの層を誘客してくれるようになります。
一つ目は、今までテレビゲームに噛り付いていた層を連れてきてくれる。
もう一つは、レジャー施設に対して興味を持たなかった層を連れてきてくれる。
しかも、この二つの層を動かすために施設側がかける経費は全くありません。
これほど、費用対効果の高い誘客ツールは今まで存在しなかったでしょう。

早速、鳥取県が砂丘の誘客にポケモンGOを利用することを明言しましたが、今後地方のレジャー(観光)施設はこうした手法を取り込むところが増えていくと思われます。
http://www.pref.tottori.lg.jp/259227.htm

さて、ここで施設側が考えておかなければいけないことが一つあります。
これまでの施設に行こうとする人は、その施設を楽しむという明確な動機を持っている人です。これに対してポケモンGOを目的に来る人は、明確な動機は「ポケモンGO」をすることです。つまり施設に行くことはその目的を達成するための副目的ということになります。

では、主目的で来る人と、副目的で来る人の違いはなんでしょうか?
一番はっきり出るのは、客単価です。その施設を楽しむために来る人は、お金もそこそこ使おうという気持ちで来ます。だから客単価は高くなります。
一方で副目的で来る人は、主目的のために極力副目的にはお金を使いたくないという意識があります。

このため、ポケモンGOのおかげで経費をかけずにお客が来てくれることだけを喜んで、その後の仕掛けを怠ってしまったら、人は来たけど思いのほか儲からない(売り上げが目標に届かない)という結果になります。

そこで施設側はどうすればいいのか?という難しい問題を抱えます。
これを解決するためには、副目的で来る人たちを極力長く滞留してもらう仕掛けをするしかありません。幸い今の時期は夏。外を動き回ればのども乾くし、お腹もすく。こうなったときに少しでも飲食利用を促進できるような仕組みが必要です。

飲食物の持ち込みを禁止にしているような施設は別ですが、主目的客(特に地方の)は飲食物や飲み物などの準備も万全でやってきます。これに対して副目的客はこうした準備は主目的客に比べると脆弱です。ここが狙い目です。

「夏=暑い&長居させる」という切り口で考えれば、飲み物、食べ物はもちろん、汗を拭くタオル、日焼け止め、携帯電話の充電器などなど。。。アイテムはいろいろ出てきます。
こうした受け入れるための仕掛けを施設内に適切に配置して単価アップを試みる努力も必要です。

幸い、ポケモンGOのポケストップやジムの場所は公開されていますので、この周囲にお金を落としてもらえる仕掛けを配置するのです。ポケモンを探すように、ポケモンを楽しむ人たちがお金を落とす仕掛けを探すのです。

後、入場料を取る施設や、従業員スペースを持つ施設では、来場者が管理施設に入らないように「立ち入り禁止」の案内を今まで以上に気を使う必要があります。ポケモンがいても入れないところは入れないという案内を強化するということです。

鳥取砂丘では、いち早く「利用時の掟」を定めて、安全に利用されるような配慮を行っています。こうしたトラブルの予防措置は非常に重要です。

¨ポケモンをゲット¨する人達から如何にして¨売り上げをゲット¨できるか?
レアなポケモンならぬ、レアな単価アップ施策が出れば、報道されてさらなる集客ができるかもしれません。

せっかくの集客装置。デメリットを訴える暇があったら、これで稼ぐ施策を話す時間に使った方が時間の使い方としては有効です。

 

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