テーマパークや遊園地は従業員一人いくら稼げばいいのか?

以前ホテルが従業員一人当たりどのくらいの売上があると健全な経営ができるのかを算出してみました。

今回は、テーマパークや遊園地で同様の検証をしてみたい。
遊園地やテーマパークの実績は経済産業省の特定サービス産業統計調査という調査で2016年の8月3日に詳細な統計が出されているのでこれを参考にしてみます。(詳しくはこちらから

まず、テーマパークや遊園地ですが、従業員の数によって売り上げの規模がずいぶん違います。従業員が100人以上の施設が従業員数、売り上げとも全体で95%以上(下の円グラフの緑部分)になっているので、今回は従業員の数が100人以上の施設を対象に考えてみます。

経済産業省の出している特定サービス産業統計調査から算出すると、
従業員が100人以上の施設の場合は従業員一人当たりの売上は1580万円です。ホテルの場合は日本の御三家と言われるホテルのレベルで2000万円以上でしたから、それに比べると小さいのがわかります。

一方で
日本のテーマパークや遊園地は、東京ディズニーリゾート(TDR)とユニバーサルスタジオジャパン(USJ)がその売り上げの73.6%を占めています。ほぼ3/4がこの2施設で占められているというわけですね。。。

この二つを100人以上の事業規模の売上と従業員数から引いたものと、TDR、USJを比べてみると、従業員一人当たりの売上はTDRとUSJが1510万円、その他は1800万円になりました。

TDRやUSJ以外の施設は、一人当たりの売上がTDRやUSJよりも多い??

こうなってしまう原因は二つあります。

一つは本当に一人当たりの売上が多いという考え方。
TDRにしてもUSJにしてもテーマパークや遊園地業界の中ではしっかりとポジションに従業員を配置しますが、それ以外のところでは掛け持ちさせることもよくあります。しかしこれによって一人当たりの売上が極端に伸びるとは考えにくいですね。

そして、もう一つこちらの方は比率が高いと思います。委託業務をしている場合です。
業務の一部、もしくは全部を委託業者に出している場合、この統計に記載される従業員の数は少なくなります。売り上げについては自社のものとして計上し、歩率という原価として処理されて委託業者に配分されます。
つまり、実際に現場でゲストと接する人の数より委託業者分の人数が少なく統計上は計上されて、売上は委託業者の稼いだ分も含めて計上されているため数値が大きくなることが考えられます。

TDRは人員効率も非常にいいとよく言われますので、TDRの数値が直営従業員による売り上げ限界と考えると、他の施設は従業員一人当たり290万円(1800万円-1510万円)分の委託費用を使っているとも受け取れます。従業員が100人いれば2億9000万円の委託費となります。。。TDRやUSJのようにはほかの施設の利益が出ない原因はこうしたところにあるのかもしれません。

遊園地やテーマパークの現場にいると、現場の管理部門は「人が足らない」と言い、経営部門は「人を削れ」という対立構造をよく目にします。しかし、どちらも「何人必要」「何人削れ」という具体的な数値が出せずに議論が空回りして時間だけが過ぎていくという悪循環。

こうした従業員一人当たりの売上を1500万円程度に設定して議論をすれば一定の解決にたどり着けるように思うのですが。。。
どうしたもんでしょうかね??

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