テーマパークや遊園地がTDRやUSJのように値上げできるか?

話は前回のブログの続きです。

経済産業省の統計では、飲食・物販・その他というカテゴリーで売上を分類した統計も出しています。
100人以上の従業員のいる施設では、売り上げ全体は約6400億円、うち飲食が1040億円、物販は2047億円、その他(入場料やフリーパス、駐車場など)が3289億円。

比率にすると 飲食:物販:その他 = 16.3:32.1:51.6
客単価で考えると、入場料などの収入の約2倍が客単価ということになります。
一見すると悪い数字ではありません。
しかし、この部門別の売上から、TDRとUSJを差し引いてみるとどうなるでしょうか?

なんと、
飲食:物販:その他 = 10.3:18.8:70.8
つまり、客単価のうち7割が入園料やフリーパスの料金ということになるのです。

これはどういうことか?
同じ5000円の入場料を取ったとしても、TDRだったら中で7500円(=5000円×(60%÷40%))程度使ってくれるのですが、ほかの施設では2100円(=5000円×(30%÷70%))程度しか使ってくれないということです。
これが、日本の多くの遊園地、テーマパークの最大の問題であり、最大の悩みです。

飲食や物販の売上を短期で強烈に伸ばすのは至難の業ですが、入園料はそれに比べたら簡単です。

値上げすればいいだけの話だからです。昨今TDRやUSJはグイグイ値上げをして気が付けばTDRもUSJも1年間で500円程度の値上げをしています。

USJについてはCMOの森岡毅さんが、著書の中で
「テーマパーク業界は長い間、TDRの料金という天井に縛られてきた。本来はもっと高くても良いはずだ」
と述べているし、実際少しづつ料金値上げの動きも他施設で見られるようになってきました。私自身もこの意見には賛成です。安定した経営ができる金額で運営すべきだと思います。

前回のブログに書いた従業員一人当たりの売上の考え方で料金はどのくらい値上げできるのか検証してみます。

値上げ前と値上げ後の2014年と2015年のUSJの売上と従業員数を以下に示します。


これで見ると、2015年は2014年に対して従業員一人当たり300万円売上を増やしています。

2014年のTDRとUSJを抜いた100人以上のテーマパークや遊園地の従業員一人当たりの売上は1840万円でした。

年間の来場者数が50万人、従業員数が100人の施設で考えた場合、経産省の統計にのっとった施設であれば売上は18億4400万円、単価は3688円です。ここで従業員一人当たりの売上を300万円アップしてその分を入園料に転化すると以下のようになります。

入園料単価が約600円増加。
ということは、現行の料金よりも大人も子供も600円増加させることができます。
これが今のテーマパークや遊園地業界の流れに沿った増加と言えます。

消費税の増加は先送りになりましたが、今こそ自信をもって施設の適正価格で勝負する施設が出てきて欲しいものです。

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