上海ディズニーランドは「SCSE」で進化する

21世紀生まれの最大のテーマパークの一つと言って良いであろう上海ディズニーランド。中国が国家の威信をかけてオープンさせた総工費5800億円ともいわれる巨大プロジェクトである。しかし、プレオープンのころから良いうわさはあまり聞かない。このままでは国家の威信が丸潰れという当局の意向もあるのであろうが、開業以降に様々な運営変更がなされているようである。しかし、そのすべてがうまくいっているとはどうも考えられない。オープン直後、繁忙時期、閑散時期と施設を見て来たコンサルタントとしての目線で検証してみたい。


上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察


SCSEについて


上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察


ディズニーの冠が付いているテーマパークは「SCSE」というコンセプトに基づいて施設が計画され、運営されているということは少しでもディズニーランドについて興味がある人には周知のことだと思う。

Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)だ。

東京ディズニーランドを運営しているオリエンタルランドのCSR情報を見ると、それぞれに以下のような説明が記載されている。

【Safety】
安全な場所、やすらぎを感じる空間を作りだすために、ゲストにとっても、キャストにとっても安全を最優先すること。
【Courtesy】
“すべてのゲストがVIP”との理念に基づき、言葉づかいや対応が丁寧なことはもちろん、相手の立場にたった、親しみやすく、心をこめたおもてなしをすること。
【Show】
あらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、施設の点検や清掃などを行うほか、キャストも「毎日が初演」の気持ちを忘れず、ショーを演じること。
【Efficiency】
安全、礼儀正しさ、ショーを心がけ、さらにチームワークを発揮することで、効率を高めること。

また、この4つは文字の順序による優位性がある。例えばディズニーランドでは「Show」が「Efficiency」に優先される。したがってEfficiencyとは言えないが、どんなにお客さんが少なくても毎日オープンしたてのようにピカピカに清掃しなければならないという運営が求めれれる。

東京ディズニーランドはこれが厳格に順守されている。そしてこのことこそが日本や海外からゲストが快適に過ごすことができるはずという安心感につながっている。もちろんここに至るまでの紆余曲折は語りつくせないほどあるだろうが、開業から30年以上の月日がたっても年間入場者数が伸び続けている主たる要因であろう。

一方で上海ディズニーランドはどうだろうか?
開業時はキャストはまだ上手いとは言えなかった。新人がキャリア30年のベテランよりも上手いはずはなくこれは仕方ないことだと思う。だから個人の技術が東京よりも劣っていることは仕方がない。

Safetyの観点に加えて中国人という民族性を考えた場合に、日本ではあまり見かけない頑丈なキューエリアを導入しなければならない。その結果、ゲストが少ないときでもゲストは曲がりくねったキューエリアを歩き続けなければならないというデメリットは受け入れなければならないところだと思う。

東京ディズニーランドを知る人にとっては、「なんでこんなに下手くそなのか」、「なんでこんなに面倒なキューラインを歩かせるのか」と思うかもしれないが、現段階ではこれは致し方ないと言わざるを得ないと自分は考えている。その意味でSafetyについては現段階ではある程度の評価をしてもいいのでは?と自身は思っている。

問題は、それ以降の3つの基準である。いくつかの事例を挙げながら説明する。


挨拶がない

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察

safetyの次に規範となっているものがCourtesyである。「すべてのゲストはVIP」という号令の基に東京ディズニーランドは挨拶や礼儀を徹底している。超高級ホテルではないから極端にかしこまったお辞儀などはないが、とにかくゲストと目が合ったら「こんにちは」と声をかけてくれる。これはゲストにとっては非常に安心できる対応である。何か不安なことがあればすぐにキャストに声をかけて確認できる。その際も会話の最初は「こんにちは」で始まる。テーマパークに来るゲストは平均して10回程度はこうしてキャストとの会話をする必要に迫られるものであるが、常に「こんにちは」で始まりゲストの不安を拭い去る努力をしている。

残念ながら今の上海ディズニーランドはまずここが劣っている。それを最もよく確認できるのが実はトイレや喫煙所だ。清掃する際に「こんにちは、失礼します」と声をかけてから作業に入るのが東京、しかし、上海の場合には無言でその作業が始まってしまう。後ろに作業中のキャストがいることに気が付かずにぶつかるゲストも何度か見かけた。

さらに、キャストの中には業務中なのにエリアの端でポケットから出したミカンを食べている人もいる。残念なシーンだった。

挨拶は礼儀の最も基本的なことであるというのは、日本であろうと中国であろうと共通だ。しかしこれを仕事として実践するのはなかなかに難しい。日本でもテーマパークを名乗る施設で挨拶がまともにできない施設は確かにある。しかし、少なくともディズニーの冠を付けている施設でこれを許してしまうのは問題である。


カストーディアルの大きな差

東京ディズニーランドでShowの規範を維持するために活躍しているのがカストーディアルと呼ばれる清掃担当のキャスト。園内をくまなく循環し清掃活動を実施するだけではなく、様々なゲストに対してのサービス活動を行っていることはよく知られていることである。加えて昨今はエンターテインメント要素を持ち合わせるキャストまで出てきており、ゲストが東京ディズニーランドに行く楽しみに一つにまでなっている。

上海ディズニーランドにもカストーディアルはもちろん存在するが、現段階では東京ディズニーランドのレベルにはない。これは仕方ないことではあるが、見ていると少し残念なことがある。最大の弱点は独りで活動できる人がまだ少ないことである。カストーディアルは活動範囲が広い。このためできるだけ少人数(究極は一人)で活動できた方が圧倒的に効率が高くなるし、清潔さも維持できるようになる。今回見た中では多くのカストーディアルは複数人数で行動する場合が多かった。

道具についてだが、東京ディズニーランドの場合塵取りに箒はもちろんのこと清掃に必要な備品をいろいろと持ち合わせている。汚れを取るためのスプレイ、紙ナプキンなどである。上海ディズニーランドのカストディアルも塵取りと箒は持っているが東京のものと形状が違う。いわゆる我々が日常生活で使う箒である。

東京ディズニーランドの箒は「トイブルーム」と呼ばれる先が細くなっているタイプである。使いこなすまでには少々時間がかかる。まだこれを使いこなすまでには至らないようである。また、大きな菜箸のようなトングを持っているキャストもいる。ごみを拾い上げるのに使うようであるが、このように道具が多いのが上海の特徴の一つでもある。その一方で、上海のカストーディアルはスプレイを持っている人が少ない。汚れを剥離させるのに有効なスプレイを持っている人が少ないということは、床面が汚れやすくなっていることにつながる。

また、オープン当時にみたカストーディアルは白い清潔なユニフォームであったが、半年経った今回見たカストーディアルのコスチュームは少しくたびれた感じがあった。道具やコスチュームなどの消耗品は日本に比べて品質が低いのが原因かもしれないが、清掃を行うキャストのコスチュームがきれいか?そうでないか?やはりShowの規範からすればどちらが良いのかは一目瞭然だ。

また、夏に比べて園内のごみ箱が極端に増えていた。本で読んだことがあるがディズニーランドでは25フィートおきにゴミ箱を設置するように計画されるそうだが、オープン当初はその計画通りの設置のように思えたが、今回行ったときには置きすぎでは?と思うくらいにゴミ箱が置かれていた。しかし、以前からあるものはゴミ箱とペットボトル回収箱がセットであったが、新設のものはゴミ箱のみ。しかも色もバラバラであった。

ゴミに対しての風評から設置されたものであるようだが、少々行き過ぎた感じと色合いなどの計画性を考慮して設置すべきものであるようにも思う。


キューライン

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察

オープン当初はあまり見られなかったが、上海ディズニーランドの中にもロープでくくられたキューラインが増えてきた。東京では見たことがないが仮設フェンスのようなキューラインもある。ロープでくくったキューラインはゲストが割り込まない(もしくはキャストの監視で割り込ませない)という前提がないとキューラインとしての効果がない。オープン当初はそうしたルールを守らないゲストがまだ散見されたが、半年経ってから行った今回はそうした無法者は見られなかった。中国人も少しはマナー向上しているようである。

しかし、こうした一時的に利用するキューラインはそのまま放置すると事故のもとになることがある。ロープに引っかかって転んだりというものだ。東京ディズニーランドは使わないキューラインはすぐに撤収する。これはSafetyの規範からも重要なことである。

一方、上海ディズニーランドはこの意識が薄い。園外に設置されたキューラインは人がいなくなってからもそのままだし、チケット売り場のキューラインも利用されていないのに放置されていた。

Courtesyの規範でいえばゲストを列に並ばせるというのは望ましくはないことであるが、Safetyの規範でやむを得ない処置である。本来はあってほしくないキューラインはShowという観点からは早く撤去されるべきものである。ディズニーランドでは本来あるべきではないものが存在するという意味で「Bad Show」という言葉が使われる。利用されないキューラインが放置されるのはまさに「Bad Show」なのである。

上記の事象を見て思うことだが、設置に関してはキャストも意識があるようだが撤去に関しての意識はまだまだ低いと言わざるを得ない。こうした問題はキャストを束ねる現場責任者(リードやスーパーバイザー)の力量がまだまだ低いことが起因していると言えよう。アトラクションならばゲストが減少した場合にはキャストは自然に改札付近に集まってくる。そして無駄に改札周辺にキャストが多くなっているというアトラクションも見られた。キューラインはそのままだ。責任者の力量はピークの時よりもスローな時に顕著に表れる。ゲストの数が減ってきたときに何をすべきか?この点はまだまだ責任者も新人のレベルなのである。

しかし、キャストに関して可哀そうなところも一つある。実は仮設のキューラインを作るためのポール(スタンション)が非常に大きくて重い(実際持ってみたのではないがそう思う)のである。東京ディズニーランドのスタンションは女性でも簡単に持ち運べるが、上海ディズニーランドは見るからに頑丈そうで重そうだ。これは計画段階の失敗と言わざるを得ず、今後改善されていく必要性があるということを記載しておく。

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察


アトラクションの正確性

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察

自分がディズニーランドの凄いところを一つ上げろと言われたときに必ず言うのが「時間の正確さ」である。開園時間に始まり、ショーの開始時間、アトラクションの所要時間など他のパークにはない正確さが実現されている。

上海ディズニーランドのメインアトラクションである「カリブの海賊」。日本のカリブの海賊よりも仕掛けも機械もレベルが高い。来たゲストは誰でも乗りたがるアトラクションの一つだ。そんな人気機種なので「シングルライダー」という制度がある。ライドの乗船時に空き席が生まれた場合に人数分載せていくというシステム。

自分がキューラインに着いたときに、シングルライダーは10分と記載されていた。10分ならと思いキャストに言うと「30分ほどかかりますが良いでしょうか?」と言われた。「10分って表示してますけど?」と聞き返すと、「そのうち変わります」との返答。これでは何のための時間表示なのか、と思ってしまう。

どういう仕掛けで表示を変えているのかは知らないが、こうした対応はゲストを不安にさせる。Courtesyの面でもShowの面でもよくない対応の一つだろう。

カリブの海賊での対応の問題はその場にあるキャストが表示を無視して自分の観点で発言してしまったことである。アトラクションの対応マニュアル(ディズニーランドでは「SOP」と呼ばれている)には自分で判断してとは記載されていないはず。表示されている時間を説明するようにとなっているはずだが、こうした対応が残念ながら徹底されていないような印象を受ける。

上海ディズニーランド考察


飲食

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察

東京と上海を比べて明らかに差がついているように思うのが飲食である。東京ディズニーランドでは何か食べるのに常に並ぶ。それは平日も同じ。店舗はもちろん、ワゴンも並んで買うのが当たり前であるが、上海は飲食がすごぶる人気がない。この理由の一つは一部の飲食物を持ち込み可能にしていることにある。園内を見ると果物やお菓子を食べている人がたくさんいる。また園内にあるピクニックエリアは昼食時はほぼ満席だ。

運営方針で許可されていることだからこれは仕方ない。これによってダメージを受けるのがワゴンサービス。日本のようにポップコーンやターキーレッグなどが売れない。しかし、こうしたワゴンサービスは結構な数が運営されている。売れないのに営業はしている。ポップコーンなどは作りおいてそのままにしてしまうので独特の臭いもしないし美味しくない。悪循環になっている。

一方で店舗。上海ディズニーランドにはラプンツェル・ツリー・タバン(Tangled Tree Tavern)というお店がある。これは日本にはない施設で、ヒット映画「塔の上のラプンツェル」に出てくる酒場をモチーフにしている施設。ここを利用しようとしたところ、本日はお休みとのこと。改装中のようではなさそうで、人が少ないからのようだ。自分が店の前でしばらく呆然としていると日本語で「あれ?やってないよぉ・・・」という声も聞こえた。日本からも結構人が来ているのである。もちろん東京にないものはやはり楽しみたいのである。しかし休店。

飲食施設のように消費単価を伸ばす施設を客が少ないという理由で閉めてしまうのは非常に危険な行為と言えると思う。日本のレジャー施設もこうした経緯で売り上げを落とし、最悪は閉鎖に追い込まれてしまったという施設もなくはない。

また、ディズニーランドはShowがEfficiencyよりも上位規範であることを考えると、営業してほしい店舗の一つである。実はこの店舗以外にも結構休店している店舗が上海ディズニーランドには多い。今まで3回行ったが、いまだに営業しているのを見たことがない施設もある。共通しているのが施設の割合端にある店舗。であればShowよりEfficiencyを優先したのではないか?と勘ぐってしまう。

なぜ、飲食店舗が賑わわないのか?持ち込みのほかにも考えられることが二つある。

一つ目はディズニータウンの存在。上海ディズニーランドには園外に隣接する商業施設ディズニータウンがある。ここに入っている店舗は中国全土でも屈指の名店揃い。中国に旅行に来る観光客からも評価が高い店が多い。さらに商品の価格も園内の価格に比べて同等もしくはそれよりも安い店が多い。そして上海ディズニーランドは再入園可能。これは日本でかつてユニバーサルスタジオジャパンとユニバーサルウォークがゲストを共食いしてしまった例と酷似している。その後この二つがどのような関係になっていったのかを考えれば今後の対応も検討する必要があるだろう。

そして二つ目、自分はこちら方が根深い問題と思っているが、中国人は食に関しては割合保守的であることである。日本人は外食する際に普段過程では食べられないようなものを選択することが比較的多い。もちろん中国でも富裕層はこうした傾向が強いという話を聞くのだが、全体的には日ごろ慣れ親しんだものを選択する傾向があるのではないかと思う。その証拠に街中のレストランは中国料理以外の店の比率は低い。上海には新天地という外国料理の名店が集まる場所があるが、週末ここで食事を楽しんでいるのは外国人の比率が非常に高い。

一方で日本はというと、日本の家庭料理を食べに外出する人は少ない。外食産業の主力良品は洋食だったり、カレーだったり、日常的に食べるものではないものが人気だ。その意味で日本人は外食に関してはチャレンジャーだと言えるのではないかと思う。

そうした民族性を考慮すると、上海ディズニーランドの飲食メニューは中国人にとっては受け入れにくいものが多いのかもしれない。事実、ピノキオのフードコートに行ってみると中国料理でも創作料理系の料理は人気がないのに、麺のコーナーは長蛇の列。

飲食店舗のメニュー開発は非常に難しい。特に中国では日本式(欧米式も含め)の考え方で臨むと思わぬ痛手をこうむることになるようである。

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察

上海ディズニーランド考察


物販

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察

飲食同様に物販店舗も東京に比べてかなり苦戦しているようである。出入り口周辺の店舗は何といっても混雑するのは閉園間際。東京ディズニーランドが大混雑する時間であることは知っている人は多いと思う。

平日ではあるが上海ディズニーランドの物販店舗は人が少ない印象が非常に深い。今回行ったときも、初めて行ったオープン直後も同じ印象である。圧倒的に違うのがいわゆる「箱菓子」の種類の少なさである。

実は上海に限らず中国で菓子のお土産というのは非常に種類が少ない。それを簡単に比較できるのが日本の空港と中国の空港のお土産店舗を比較することだ。

羽田や成田、関空、札幌など日本の国際便が離発着する空港の物販店舗の商品の種類はものすごく多い。煎餅、チョコ、饅頭、ケーキ・・・数えてみたらきりがないし、どんどん新商品が出てくる。一方で上海や北京の空港を見ると、お菓子は非常に少ない。中国産ではパンダのチョコレート、後は日本から逆輸入のポッキーなどの菓子類・・・その程度である。

物販店舗は商品の種類の多さをどれだけ多く見せられるか?というのが購買率に直結する。多種類を多量に陳列する東京ディズニーランドの物販店舗を見ればそれは一目瞭然である。日本人だからお土産を大量に購入するのではなく、多種多様なお土産ラインアップがあるからこそ、東京ディズニーランドは驚異的な物販単価を維持し続けられるのだと自分は考えている。

ディズニーランドは実際に菓子を製造する会社ではない。菓子メーカーが作ったものにディズニーのラッピングをして売っているのであるから、そのメーカーが作る菓子の種類が少なければ多種多様なMDを展開するのは不可能である。

その意味で、上海ディズニーランドの物販店舗は今後も相当苦労しそうな予感がする。


チケット料金

上海ディズニーランド考察上海ディズニーランド考察

この問題に触れておくことは避けて通れないように思う。今回(閑散時期の平日)のワンデーパスポートは大人370元(約5500円)、ピーク時期は大人499元(約7500円)。最初の2回はピーク時期に当たったので、今回はかなり安くなった印象がある。
団体については、かなり料金をダンピングしているという情報もあり、当初のもくろみ通りに売り上げが伸びているのか?疑問視せざるを得ないところである。

最初2回のピーク時期であるが、飲食店舗にしても物販店舗にしてももっと混雑する時間があった印象がある。これはもともとの入場者数が多いこともあるが、利用率が高かったように思う。

料金を二通り用意しているのは香港と上海の特徴の一つであるが、日本のレジャー施設で見ても入園料単価が低いときは、物販や飲食の単価も低くなる傾向がある。言い方は悪いがお金持ちが来た方が物は売れるというのは商売の基本原則なのである。

入場料金の違いによる収益の違いは計画段階で予想することができるが、これに伴って客層が変わり物販や飲食への影響が考慮されていたのかどうか?という点は非常に不安がある。ここは1年経たないと業績が明らかにされないだろうが、来年以降の運営がどうなるかで検証できるのではないかと思っている。

また、最後になったが地下鉄内やエントランス周辺に出現する非正規商品を販売している人々。これは早急に排除すべきである。中国の観光地各所で見られる風景であるが、ここはディズニー社に高いロイヤリティを払って作っった施設なのである。これからディズニーランドを楽しもうというゲストに対しては非常に不快な存在と言わざるを得ない。入場前の BadShow と言わざるを得ない。少なくともエントランス付近にいるセキュリティキャストにはその対応をしてもらいたいと思うのである。


まとめ

今回はSCSEというコンセプトに沿って上海ディズニーランドを検証してみたつもりである。すべてについて証拠が残るような写真などを撮ったわけではないので本当かどうかを証明しきれないものもある。しかし、記載したことは自分の目に映った事実であることは理解していただきたいと思う。

そして東京ディズニーランドと比較した場合に明らかに不足しているのが「Courtesy」と「Show」に対しての規範遵守である。この二つを遵守することは実は経費がかかる。日本のレジャー施設でも「Efficiency」を笠に着てこの二つをジリジリ減少させていく施設がたくさんある。そしてその結果東京ディズニーランドと決定的な集客力の差を生んでしまう。これと同じ道を上海ディズニーランドが歩んでしまえばディズニーブランドはもはや維持できなくなるだろう。

かと言って、東京ディズニーランドをすべて真似たとしても、民族性や生活習慣の違いもあり全く同じように伸びていくかというとそうではなさそうである。

Efficiencyを重視しつつも、「Courtesy」と「Show」を優先させるためには、キャスト教育、責任者の運営教育などいくつものハードルが待ち構えているし、それを超えるには経費と期間がかかる。それでもやるのか?Efficiencyに特化して遊園地化してしまうのか?この先どっちに転がっていくのか非常に興味深い。

冒頭でも書いたがまだできて1年経っていない施設である。新入社員がその道30年の大先輩にすぐに追いつき追い越すとも思えないが、新人ならではの施設への情熱や一生懸命さというものがすでに枯れてきているように見えることが大きな問題である。真のプロフェッショナルは新入社員のような情熱と熟練した技術を高いレベルで兼ね備えている人という。また、中国国民は日本人の8倍以上の人数がいるので天性の才能を持っている人も日本人より多いはず。この先、たくさんのプロフェッショナルが出現し、東京ディズニーランドを脅かす存在になれるかどうかは、SCSEをどこまで理解し、遵守し、昇華していくかにかかっている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です