家の建築で考えるテーマパークの運営計画(その3「実施計画」)

登場人物

信さん
主人公、初めて家を建てるがどうすれば良いのかわからずいろいろと奔走する
政先生
信さんの知り合いのリゾート開発のコンサルタント。信さんの自宅建設にリゾート開発目線でアドバイスをする

実施計画

信さんは自分の意向に沿ったと言っても・・どうやって伝えよう?と困惑しています。

政先生のアドバイスはさらに続きました。
建設会社にしっかりと指示ができるように、次の実施計画という段階に入りましょう。

部屋を例にとりますが、部屋から出るときの扉は引くタイプにしますか?押すタイプにしますか?もし部屋の側に引くタイプであれば、引いた部分には棚や机などは置けませんよね。押すタイプにした場合扉を開けるときに廊下を歩いている人がいたらぶつかってしまいますね。

また部屋の照明ですが真ん中に一つだけにする方法もあるし、二つに分ける方法もあります。英会話教室を行おうとしている部屋はどうでしょうか?扉を横に引くタイプであれば、部屋を狭くすることもないし、外に人がいても安全ですね。電源についても壁に付けるか床に埋め込み型にするか?英会話教室の部屋は中央に埋め込み型にする方が使いやすいと思います。

そして大事なのは床面、不特定の人が何度も出入りする英会話教室の部屋は、椅子と床の摩擦でほかの部屋よりも床面の痛みが早くなります。このように利用する機能が違う場合には、他の部屋と同じ材質でというわけにはいきません。部屋の用途を建築会社にしっかり理解してもらいましょう。

図面を見ながら実際に使う人の側に立って、家の中の機能を検証してみてください。そしてその希望に一番答えてくれそうな建設業者にお願いするのです。

政先生はホワイトボードにまたしても書き始めた

実施計画
基本計画を基にして実際に利用する人の目線で利用方法を計画する
個別の機器(ドア、照明、電源)など細部にわたって利用する立場で検証すること
使い方などこの先マニュアル化するために必要な情報をすべて計画すること

実施設計
実施計画を基にして部品を選び設置するための詳細な図面を設計すること
設置場所、設置方向、動作方法などの詳細な内容が記載される

信さんは思った「これは大変な作業だ・・・やることがたくさんありすぎる・・・。」
困惑した顔をする信さんに向かって政先生のアドバイスは続きます。

一番いいのは、図面を見ながら玄関から入って家族で使う場所は家族で検証し、寝室のような場所はそこを使う人が検証する、さらに英会話教室などは参考になるような家が近所にあれば見せてもらうのが良いでしょう。夜と昼で変わるものもありますので、照明などは十分注意が必要です。こうしたものの中には実際に建設が始まってから検証することができるものもあります。修正は可能な場合もあるので建設会社と相談しながら進めてください。

信さんは政先生のアドバイスをもとに、一応の実施計画を作成して設計会社に持ち込んだ。そして設計会社と建設会社が決まりいよいよ工事が始まった。

幸いにして大きな問題は起こらずに工事は進み、信さんも定期的に建築現場を訪れては工事の内容を確認していった。ある日、建設会社の方と打ち合わせ中に言われた「建設段階で入れ込む家具などは決めていますか?」。信さんは慌てふためいた。家に入れる家具などの検討をすっかり忘れていた。

大体のものは考えてあるが具体的なことはまだ早いだろうと思って決めていなかった。またしても政先生にアドバイスを請うことになった。

政先生は以下のようにアドバイスしてくれました。
全ての家具類を決める必要はありません。建設会社の人が言ったのは「出来上がってからでは搬入しきれないような大きなものがあるか?」ということです。

本箱を壁に埋め込みたいなどというときは予め埋め込む本箱を調達しておかないといけませんよね。でも後から置くならドアや窓から入れられる大きさであれば問題ないわけです。こんな想像をしてみてください。出来上がった家をひっくり返して落下するもの。これらは後で入れられるものなので慌てて決める必要はありません。

信さんはこのアドバイスを基にして建設会社に回答し、英会話教室の作り付けの本箱と大型モニターだけは先に購入することにした。

順調に工事が進み家の大半のものは工事が終わってきた。予算として組んでいた備品購入費用で室内の家具類も家らしく揃ってきました。そして購入した子供用のベッドを搬入しようとしたのだが・・・信さんは子供の意向を聞きすぎたため、なんとドアからベッドが入れられないという事態に陥ってしまったのです。

仕方がないので窓から入れることにしたが、クレーン車を用意しないと入れられないとの建設会社からの回答・・・ここにきて予想外の出費が発生してしまった。またしても政先生に相談することになったのだが・・・

政先生は今回も笑っていた。
信さん、最初に経費を算定するときに資金の80%くらいに収めてくださいね。とお伝えしたのを覚えていますか?実は今日のようなことを想定してのことだったのです。

いくらしっかりと計画しても予想外の出費というのは避けられないことが多いのです。そこで今回のような場合のためにあらかじめ最初の段階で予算を下げておくことが重要なのです。他にもクレーンで入れ込むようなものはありませんか?同じ作業なら一度にやった方が経費も安くて済みますよ。
信さんは予備にとっておいた予算でクレーン車を呼んで子供部屋にベッドを搬入できました。

信さんは政先生のアドバイスを書き留めました。

実施計画
基本計画を基に利用する人の視点で動きに合わせた施設の計画を行うこと
施設の機能別にどのように利用するかを決める
動作するものはマニュアルが書けるくらいに細かく計画すること
場合によっては同じ場所を昼夜と条件を変えて検証すること
予想外の出費が出てしまった場合は、予備としていた20%の経費から捻出する

【次回に続く】

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