家の建築で考えるテーマパークの運営計画(その2「基本計画」)

登場人物

信さん
主人公、初めて家を建てるがどうすれば良いのかわからずいろいろと奔走する
政先生
信さんの知り合いのリゾート開発のコンサルタント。信さんの自宅建設にリゾート開発目線でアドバイスをする

基本計画

信さんは先日の基本構想をまとめて政先生に提出しました。

Concept 「住居と英会話教室ができる家」
顧客属性と集客見込み 「近所の人と知り合い(大人と子供)を対象に一度に10人くらい」
施設に必要な機能「駐車場は英会話教室用に3台分を確保」
経費の予測と資金計画「自己資金を90%以上、借り入れは自己資金の10%以内」
売上予測「年間××万円」
経年収支計画「3年以内で最初の借り入れは返済可能な結果になった」

政先生は次のアドバイスをしてくれました。
基本構想はできましたね。次は基本計画という段階に入ります。家を建てるのですから設計会社に発注をしなければなりません。そのために必要な計画を立てましょう。これが基本計画の骨子です。

まずは、家に必要な機能を考えましょう。家そのものは1階建てにしますか?2階建てにしますか?そして部屋、玄関、窓、トイレ、風呂などが必要ですね。次にそれぞれの機能の内容を考えましょう。

部屋は家族で使うところでは台所、食堂、寝室、居間などです。そして英会話教室の部屋が必要です。家族で使うところは人数分の広さ、台所には洗面台、調理場、冷蔵庫を置く、電子レンジを置く、換気扇、ガス栓、排気窓などが必要ですね。英会話教室を行うところは人数分の椅子とテーブルが設置できる広さ、パソコンを使うならネットワークケーブルや電源コンセントなどが必要ですし、ホワイトボードなどが置ける広さも必要です。そして音が漏れないようにするなら壁を防音壁にするなどの工事も必要になりますね。

こうした自分の希望を具体的な計画にして設計会社に伝える必要があるのです。そして設計会社が建設に必要な金額を算出してくれますので信さんが基本構想で計画した資金に納まっているかを検証してください。

数日して信さんは設計会社が出してきた見積もりをもって、政先生に会いにきました。
おかげさまで、設計会社から出てきた見積もりは自分の計算した範囲内でした。
「せっかくなので英会話教室には特注品のシャンデリアなどを付けて豪華な印象をだしたいのです。金額ちょっと高いのですが加えても当初の予算の範囲内なのですが、どう思いますか?」

政先生は笑って言いました。
多分そうした意見が出てくると思っていました。確かに家を建てる費用に比べたらシャンデリアの費用は小さいものです。でも、壊れて買い替える必要が出てきたらどうしますか?そのときは英会話教室の売上の中から出さなければなりませんよ。

基本構想のときに実施した経年収支計画を思い出してみてください。家族だけで済むならまだしも、英会話教室で家族以外の人も使う家であれば、普通に住むよりも家の痛みは早くなりますね。だから毎年の英会話教室に売り上げの一部を、修理するための費用に回す必要があります。

そして建物は年月が経過すれば資産としての価値が下がります。これを減価償却といいます。

建物の価値が減り、修理代金も必要になる中で、豪華なシャンデリアを簡単に買い替えられますか?リゾート施設でもこうした建設前に高い買い物をしたがる人は多いのですが、その後の売上で買い替えられる程度のものにするように私は指導しています。

よくあるのは「特注品」と呼ばれるもので買い替えるとお金がかかるうえに、年月が経つと製造してもらえなくなるものまであります。こうした経費は経営を圧迫するので、できるだけ既存の製品で作るように指導しています。

工事というのは自分の思うとおりに進まないこともあります。そうすると経費がその分かかりますので資金の80%くらいで建築費用がまかなえるようにしておくと良いですよ。

信さんは思いました。
設計会社は建設費用を出してくれただけだった。英会話教室の売上と修理費用などの経費を考えて経年で収支計画を立ててみなくては・・・

政先生は続いてホワイトボードにこんなことを書きました。

基本計画
基本構想を具体的に計画にしたもの
施設(家)に必要な機能の抽出
ぞれぞれの機能を設計会社に伝えられるように具現化すること
設計した段階でかかる経費を、減価償却や施設修繕費を加味したうえで収支計画にすること
単価が高額なものはできるだけ避けて、経年収支を圧迫しないこと

基本設計
基本計画に基づいて、必要機能を具体的な図面に落とし込むこと
設計図面とともに、建設にかかる概算経費を算出する

信さんは自分で収支計画を再度作り、シャンデリアは断念してLED照明にすることにしました。数日後信さんは設計会社の担当者に会いました。設計会社の担当者は次のように信さんに質問してきました。「建設会社はどこを使いますか?」。信さんは「??」という顔で担当者を見ます。担当者は以下のように言ってきました。「建設会社にも得意なところと不得意なところがあります。どこに頼んでもそれなりの仕事はしますが、信さんの期待に一番添える会社を選びたいと思っているのです。」
信さんはその場での返答をせずに、政先生に相談しました。

政先生は以下のようにアドバイスしてくれました。
もし信さんが選ぶのであれば、建設作業がどのくらい進んでいて何ができたのか?細かく案内してくれる会社が良いですよ。さらに言えば、建設しながらも信さんの意向と違う感じになった時に対応してくれる会社が一番いいです。

信さんは政先生のアドバイスを書き留めました。

基本計画
基本計画は設計者に基本構想の内容を反映できるように伝えるための計画
必要な施設、必要な機能を抽出して、設計者に伝えられるように具現化すること
減価償却や修繕費用を加味して、経年収支を圧迫するようなものを使わなこと
経費は資金の80%程度になるようにすること

【次回に続く】

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